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繰り返し荷重による繊維ロープの強度低下

ロープの物性変化を重要視している方はそれ程多くありませんが、船の繋留索をはじめ、人命に直結する用途で多々使用されており、十分な知識を持って事故を未然に防ぐ対策が必要です。外観上の優劣を問わず、使用頻度等により早期交換をしていく事も重要な対策の一つとなります。ロープが道具や構造体の一部として使用される場合は、一般に複数回の利用が前提となっています。(但し、命綱等特別な使用方法を除く。)大きな荷重が掛かる毎に繊維の分子鎖が破壊され、破断強度は低下していき、初期に設定した安全率を満たす事が出来ない状態迄劣化すると、重大な事故の要因となります。弊社が実施した実験結果をユーザーの皆様にも御役立てて頂き、安全に御使用して頂ければと思います。尚、当サイトに掲載した実験結果は数多いロープの中では一例にすぎません。繊維の種類やロープの構造が異なる事等により、結果は変動しますので、御承知下さい。特殊な用途で御利用される場合は、事前の物性確認をお奨めします。試験内容により費用は変動しますが、弊社へお申し付け下さい。

実験概要

1.一般流通ロープの直線破断強度を測定する。(今回はビニロンロープ・3打・φ10mm)

2.1で測定した結果の10%相当荷重を10回繰り返した後に直線破断強度を測定する。

3.1で測定した結果の20%相当荷重を10回繰り返した後に直線破断強度を測定する。

4.1で測定した結果の30%相当荷重を10回繰り返した後に直線破断強度を測定する。

5.1で測定した結果の50%相当荷重を15回繰り返した後に直線破断強度を測定する。

実験結果

平均 低下率
初期の破断強度 8.14 8.70 8.92 8.63 10.3 9.71 9.27 9.11 −−−
10%×10回後の破断強度 9.02 8.68 −−− −−− −−− −−− −−− 8.85 2.9%
20%×10回後の破断強度 8.48 9.02 −−− −−− −−− −−− −−− 8.75 4.0%
30%×10回後の破断強度 8.63 8.48 −−− −−− −−− −−− −−− 8.56 6.0%
50%×15回後の破断強度 9.00 9.12 −−− −−− −−− −−− −−− 9.06 0.5%

今回の実験結果では顕著な低下が示されませんでした。一般ロープでは安全率を使用荷重の4〜5倍以上に設定する事で、事故発生確率を低減させられる事の証明とも言える結果となっています。但し、実際の使用では荷重が長時間連続して掛かり続ける場合や、伸縮や屈曲の繰り返しによる内部摩耗の発生、紫外線等の影響による耐候劣化、摩耗等の外的要因による繊維の切断、様々な劣化要素が存在します。劣化の進行度に影響する要素が用途やロープの種類により変化する為、明確な交換基準が現状では有りません。(海洋での使用に関しては、沿岸漁場整備開発事業施設設計指針に記載された使用年数から算出する残存強度に基づき、使用年数と安全率を設定していきます。)ロープを適切に選定し、交換時期を把握する事で殆どの事故は防げます。現在御利用されている物を御確認し、安全な状態が確保されているか判断して頂く事をお奨めします。又、漁場や遊具等で現在御使用中の場合は、部分的に採取したテストピースの破断試験により現状を知る事も出来ますし、交換時期により張り替え等した際には、古い物の残存強度を測定する事で次回交換時期の目安を知る事も出来ます。

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